僕の生存日記   第10話:彼のロボットがこんなにメチャクチャなわけがない

『川野辺 葉乃』は『千羽 緋路』の家でゲームをやってたら、なぜかロボットのいざこざに巻き込まれたよ。
『神成 躍人』、『黒井 姫』、『今池 輝也』の出番はありません。

「うわっ!!!!!!!!????????」
 爆音が響いて、煙が上がる。
 僕は思わず頭を抑えて目を瞑った。
 少し間があって、恐る恐る目を開けると、そこには――

「1st!?」

 1stが僕を庇うようにして立っていた。
 ぐらりと1stの体が揺れる。
「1st!! 大丈夫!?」
 思わず体を支えてやる。
『アリガトウゴザイマス。大丈夫デス』
「ていうか、なにが起こったの! なにが起こってるの!?」
 正直、まったくこの状況についていけない。
『ミサイルデスヨ』
「は!? ミサイル!?」
 なにそれこわい。危険。
『アイツ、葉乃サママデ巻キ込ンデ……許セマセン!』

 ガチャ、ガチャ、ドン!

 ――え? はい?
 1stのまるでマジックハンドのような手が開いて、その真ん中からパンチンググローブが現れた。
『オ返シデス!!』

 ドオオォォォォ――――――ンッッ!!!!

 地響きと轟音が辺りを包む。
「って、ええぇぇぇぇ――――――――――――!!!!????」
 パンチンググローブが跳んで、Jr.に直撃したのだ。
 ――本当になんなのコレ!?
 なんか気付いたらロボット大戦が始まってた。
『ソンナモノデ、コノ私ガ倒セルトデモ思ッテイルノカ……?』
 それでもJr.は余裕そうだ。
『クッ……! 強イ……! デスガ、葉乃サマニ危害ハ加エサセマセン! ゴ主人様ノ大切ナ人、コノ身ガ朽チ果テヨウト守ッテミセマス!』
 なにそれかっこいい。
『フフフ。イツマデ強ガッテイラレルカナ? マダマダイクゾ!』
 Jr.がさらにミサイルを放ってくる!
『A.○.フィールドッ!!!!』
 僕を守るように1stがバリアを張る。

 ――って、本当。なんですか、この状況。どこのロボット大戦ですか、マジで。

 僕の動揺などお構いなしで、2体はバトルを繰り広げていた。