僕の生存日記   第4話:それは誤解だ日替わり部

 『川野辺 葉乃』、高校1年生の春。僕の高校生活は早くも……間違いなく終わった。
 『神成 躍人』に校庭を走らされ、その後、人がまだ大勢いるその場所で『千羽 緋路』に誤解されるようなことを叫ばれ……
 走り終えた『黒井 姫』さんを見て、少しドキドキしてしまった僕に対する嫌がらせである。
 そういえば『今池 輝也』君のことはすっかり忘れて置いてきた。

 自分の教室に戻って制服に着替え、席に座って、深い深い溜め息をついた。
「千羽のばかやろー……」
 机に突っ伏す。
 僕だって……普通にかわいい彼女欲しいし、放課後は皆とワイワイ騒いで、そんでもって寄り道なんかして帰りたいし。
 そんなこと期待したりもしたのに、無惨にも終わってしまった感じ……
 でも……
「楽しかったんだけどな……こんな風に皆と騒いだり、走ってみたり……」
 本当に、楽しかったんだけどな。
 ――それなのに、お先真っ暗だ…………


「楽しいですよ」

 教室のドアの方から声が聞こえて、顔を上げるとそこには――

「黒井さん……」

 黒井さんがいた。いつもの制服を着て、笑って立っていた。

「楽しいですよ。ホラーも!!」

 ――って、え?ι
「女の子と話をするのも楽しいぞ〜」
 そう言って横から現れたのは今池君。……って!ちゃっかり黒井さんの肩に手を回してるし!!(怒)
 そして、更に後ろから聞こえてきた言葉。
「コンピュータも楽しいんだぞ!機械に触れるのって素敵だ!!それに、葉乃のかわいいところを話すのも!」
 その声は……
「千羽……」
 千羽がいた。
「葉乃……お前があまりにもかわいいから心配だ!」
 って、反省してなそーな素振りで僕を抱き締めようとする。
 ――ったく……こいつは…………
 さっと千羽をかわす。
 まぁ、こいつは……うん、こーゆーヤツなんだ、うん……

「――でも、本当に楽しかった……こんな風に、皆とワイワイ騒いだり、色々なことが出来るのって、楽しい」
 僕は笑った。
 皆もそれに応えるかのように、笑い返してくれた。

「それだ――――!!!!川野辺クン!!!!!!」

「え?」
 突然現れたヤクザが、がしっと僕の肩を力いっぱい掴んだ。
 こ、殺される……!
「それだ、川野辺クン!毎日色んなことをする部活!!その名も『日替わり部』!!!!」
 ――って……
「ハイ?ι」
 何だ、それ……『日替わり部』……??
「そうだ!」
 自信に溢れた顔でヤクザは答える。
「その日その日でやることを変えればいい!やりたいことをする!それが『日替わり部』!!」
 やりたいことを……
「それ、いいかもな」
「楽しそうです〜」
「おぉ。それでも俺は毎日葉乃のことを喋るけどな!」
 意外と皆も乗り気だ。1人変なことを言ってるのがいるけれど、それは気にしないことにする。
 うん、でも……
「それ、楽しそうですね」
 僕らがそう言うと、
「だろ!?俺様天才!!!!」
 ガッツポーズのヤクザ。
 と、その次の瞬間には、
「まぁ主に星占いのラッキーアイテムで決めるけど」
「またあの変な星占いですか!!??」
 第2話参照。

 まぁそんなこんなで。早速、そのまま職員室の先生の元へと足を運んだのだった。
 そうして、先生から許可を貰って、『日替わり部』は誕生した――――



「あの、先生いますか!?新しい部活『日替わり部』を――」

「却下」



 ――――のか??ι