グローリ・ワーカ 第15章:再び魔王城へ
「魔王城に辿り着く前から、既に満身創痍だぜ……」
先ほどの着ぐるみ事件でボロボロになったマニュアが呟く。
えーっ……と、1、2、3……9人と1匹は魔王城へと既に入り込んでいた。――って、人数多っ!
「なに数えてんだよ」
アハハ。ツッコんでくださるな。
さて、魔王の部屋までは――、
「あの、なんかさぁ……。前のときと道が変わってませんか?」
「い、言われてみれば……なんだこりゃぁ」
「どういうことだ?」
みんなの動揺に、マニュアは少し考えてから言った。
「これは――きっと、幻惑……」
「幻惑!?」
「そう。きっと、もう乗り込んだことがバレたのね。部屋まで簡単には辿り着けないように、幻惑の呪法を使って私たちに見えている道を実際の道と変えてるんだ」
「簡単には行けないようにして、俺たちの体力を奪おうってことか?」
ヤンの言葉にマニュアが頷いた。
「それと、たぶん、最終決戦に向けて準備する時間を稼いでるかな」
「ったく……。卑怯者ォォ――――!」
ニールが怒鳴る。しかし、その声は魔王城の廊下に響くだけだった。
「そんな、怒鳴ったって無駄だと思うけど……」
汗をかきながらマニュアは言う。
「……で、部屋までの道のりは長そうなの?」
「そりゃーそうじゃないの?」
アリスの質問にマニュアはさも簡単に答えた。
「まぁ悩んでいてもしょうがない。とりあえず進もう」
「って、短っ!!」
少し進み始めたマニュアがなにかにツッコんだ!
「え!? なにがっ!?」
驚くティル。
マニュアは力強く語り出した。
「短いよ! 次のページに行くには文章短すぎだよ! こ、これは、なんとかせねばならぬ!」
「ええぇぇぇぇ!?」
ステキな心遣いだった。
「よし! ストーム、一発芸だ!」
「するかボケェ!!」
ストームがアリスから借りた新しい扇子をハリセン代わりに、思いっきりツッコんだのでした。
「わ、私の扇子……! まだバトルもしてないのに!」
「もうツッコミ専用のちゃんとしたハリセンを作った方がいいかもしれませんね……」
「――今さらだが、魔王城なのに、ちょっとはマジメに行かないのか!?」
そしてヤンが、本当に今さら過ぎるツッコミをしたのでした。
「……ふぁい」
それ以降は、口数少なく、9人(と1匹)は進んでいったとさ。
「魔王城に辿り着く前から、既に満身創痍だぜ……」
先ほどの着ぐるみ事件でボロボロになったマニュアが呟く。
えーっ……と、1、2、3……9人と1匹は魔王城へと既に入り込んでいた。――って、人数多っ!
「なに数えてんだよ」
アハハ。ツッコんでくださるな。
さて、魔王の部屋までは――、
「あの、なんかさぁ……。前のときと道が変わってませんか?」
「い、言われてみれば……なんだこりゃぁ」
「どういうことだ?」
みんなの動揺に、マニュアは少し考えてから言った。
「これは――きっと、幻惑……」
「幻惑!?」
「そう。きっと、もう乗り込んだことがバレたのね。部屋まで簡単には辿り着けないように、幻惑の呪法を使って私たちに見えている道を実際の道と変えてるんだ」
「簡単には行けないようにして、俺たちの体力を奪おうってことか?」
ヤンの言葉にマニュアが頷いた。
「それと、たぶん、最終決戦に向けて準備する時間を稼いでるかな」
「ったく……。卑怯者ォォ――――!」
ニールが怒鳴る。しかし、その声は魔王城の廊下に響くだけだった。
「そんな、怒鳴ったって無駄だと思うけど……」
汗をかきながらマニュアは言う。
「……で、部屋までの道のりは長そうなの?」
「そりゃーそうじゃないの?」
アリスの質問にマニュアはさも簡単に答えた。
「まぁ悩んでいてもしょうがない。とりあえず進もう」
「って、短っ!!」
少し進み始めたマニュアがなにかにツッコんだ!
「え!? なにがっ!?」
驚くティル。
マニュアは力強く語り出した。
「短いよ! 次のページに行くには文章短すぎだよ! こ、これは、なんとかせねばならぬ!」
「ええぇぇぇぇ!?」
ステキな心遣いだった。
「よし! ストーム、一発芸だ!」
「するかボケェ!!」
ストームがアリスから借りた新しい扇子をハリセン代わりに、思いっきりツッコんだのでした。
「わ、私の扇子……! まだバトルもしてないのに!」
「もうツッコミ専用のちゃんとしたハリセンを作った方がいいかもしれませんね……」
「――今さらだが、魔王城なのに、ちょっとはマジメに行かないのか!?」
そしてヤンが、本当に今さら過ぎるツッコミをしたのでした。
「……ふぁい」
それ以降は、口数少なく、9人(と1匹)は進んでいったとさ。