グローリ・ワーカ   第3章:災難・その後

「とりあえず。買い物どうする?ι」
 戻ってきたお金を見て、ティルが言う。
「俺達じゃ買いに行けねーな。冒険者だから」
 ストームの言葉に、
「ストームのせいでね」
 すかさず言うティルだった。
「……オレンジ、いいかげんに機嫌治せよ……ι」
「私が買ってこようか?」
 アリスからのありがたい申し出。
 みんなは頷き、
「そだね。サンキュー! じゃぁ道具屋で復活の粉5個買ってきて!」
「OK!」

 待ち合わせ場所は、町外れの小さな公園。
 そこでマニュアとティルはベンチに座り、それにニールとストームが向かいあっていた。
 残された4人はたわいない話をしていた。
「でも、まさか、こんなところで会うとは思わなかった……」
「同じ町だったの?」
 マニュアとニールの過去。
 ティルの質問に、マニュアはこくんと首を縦に振った。
「いやー懐かしいね。こいつさー、いっつも一緒につるんでるやつがいて……」
「それよりも、こいつなんかな。あだ名が――」
「うわー!! それは言わなくていい!」
「え? なになに!?」
「おい! 俺も話に混ぜろ!」
 目が輝いているティル。横から割って入るストーム。
「混ざんなくていいし!」
 マニュアは焦っている。
 いったい、どんなあだ名だったというのだろうか?
「気にしなくていい!ι」
「むぅ」
 残念。
「じゃあさ、こいつ『クラちゃん』ね」
 ティルがニールを指差して言った。
 ニールはぶっと吹き出して、
「おい! あとついでに、人を指差すな!」
「『クラベット』だから?」
「うん。クラちゃん」
 ――ティル、初期のころと比べて、だいぶ性格が変わってきた気がする……。
 ストームも会話に混ざり、
「おい! クラ!! クララ!」
「クラちゃん、クラちゃん。いやーかわいいね!w」
 マニュアが笑ってニールの背中を叩いた。
「むっかつくよ!」
 笑い声が、青い空に響いた。