グローリ・ワーカ   第5章:ペンダント

「な、何で……?」
 マニュアが思わず訊く。
「私の冒険の目的はアルトを探すことだったし…見つかったから、もう……」
「そ、そっか……」
「えぇー…」
 不満そうなストームの声。
「寂しくなるなぁ……」
「うん……」
 マニュアは呟いた。ティルも頷く。
 し〜〜〜〜ん……
 皆静まり返ってしまった。
「じゃ、そういうことで…さようなら。また……」
「手紙書くからね!」
「俺達のこと、忘れんなよ!」
「うん……」
 しんみりした中、アリスは少し泣きそうな顔で頷いた。
「それじゃあ…アルト、帰るよ!」
 アリスがアルトを振り返る。
 アルトは話を聞いていなかったのか、
「え?」
「って、アルト…!?ι」
 全く自分には関係ないと思っていたらしい。
「アルト、あんたを連れ帰る為に探しに来たんだよ!?」
 アリスが言う。
 アルトは驚いた顔をしてから反発した。
「え、えぇー!?何だか冒険楽しそうなのに!」
「な、何を言ってるの!?」
「いやー!私も一緒に旅をするぅーっ!!」
「アルトっ!!おじさんやおばさんがどれだけ心配しているか…!」
「まだ帰らないーっ!!」
「…あの……ι」
 アリスとアルトの攻防は続く……
 ――暫くお待ちください――

 そして10分後。
「はぁはぁ…。……というわけで、あともう少しお世話になります…」
「わーい!I'm WINNER〜♪」
 アルトは嬉しそうに踊っている。
 アリスはそれを横目で見ながら土下座状態。
「あ、いえいえ……こっちはいてくれれば、それで嬉しいですよ」
 マニュアもアリスの向かいに正座をして座り、頭を下げた。
 結局、アリスもアルトも残り、一緒に魔王を倒す旅を続けることとなった。
「まぁ人も増えて楽しくなりそうだし!アルトちゃん、旅の許可貰ったら、一緒に買い物行こうか!」
 マニュアは立ち上がり、アルトに向かって言った。
 すぐ向かいで、アリスは、仕方ない。といった風に笑っていた。
 その様子に、アルトは笑顔で頷いた。
「うん!よろしくお願いします!」