僕の生存日記   第2話:彼女は二重人格

 僕、『川野辺 葉乃』は『神成 躍人』に脅された。そして『千羽 緋路』にははめられた。『黒井 姫』は全く理解していなかった……

「つーか、千羽、コンピュータ部に入るって言ってなかったか!?」
「いや、葉乃と一緒の方が楽しいかなって思って。少しでも長く一緒にいたいしな」
「だから、そーゆーことをさらっと言うなよ!」
 僕、半泣き。

「何かよく分からんが、とりあえずこれであと一人だな!!」
「人いっぱい増えましたね〜」
 ヤクザと黒井さんは楽しそうに言った。
 その時、千羽がぴくっと反応した。
「彼女、どちら様……?」
「へ?同じクラスの黒井さんだけど……」
 そう答えた僕の肩を、千羽はぐぁしっ!!と掴むと、壁まで押しやられた。
「な、な、な??」
 突然の出来事に目を白黒させる。そんなこと気にせず、千羽は真剣な眼差しで僕に言った。

「葉乃、お前…………絶対好みだろ!」

 ギクッ!!

 あっさりと言い当てられる。が、誤魔化して、
「ど、どうしてそんなー……」
「当たり前だ!俺が何年お前を見てきたと思ってるんだ!!」
 また怖いこと言うし!(涙)
「と、とにかく、そんなこと言われても、別にだからといって何もないわけで――……」
「何もなくないだろ!これは葉乃の貞操の危機だ!」
「それはない!!!!」
 むしろお前といた方が危険な気がするくらいだ!



 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……



 ……せ、千羽が燃えている……

「黒井さん!俺はあんたに譲らないからな!」
 突然の宣戦布告!って嬉しくないし!!
 黒井さんは分かっていない様子で、
「はぁ〜……?よろしくお願いします〜」
 笑顔のまま頭を深々と下げた。
 千羽からは相変わらずの殺気。


 こうして、戦いの火蓋は切って落とされた!!……のか?

 全然嬉しくないけど(泣)