僕の生存日記   第3話:夢の中へ行ってみたいと思えません

「きゃー!遅刻、遅刻ぅー!!!!」

 僕は『川野辺 葉乃』!小竜高校に入ったばかりのピカピカの1年生☆
 『神成 躍人』っていう先輩と出会ったり、幼馴染の『千羽 緋路』に告白されたり、クラスのアイドル『黒井 姫』ちゃんに嫉妬されたりで毎日がエブリデイ!!
 そんな高校生活なんだけど、まだ入学して1ヶ月しか経ってないっていうのにいきなり遅刻だよー!
「いってきまぁ〜す!」
 焼いたトーストを口に咥え、ダッシュで家を飛び出した!
 ここの曲がり角を曲がれば学校はもうすぐ。
 勢いよく角を曲がった瞬間、僕は目の前が真っ暗になった。

 ドッシ〜ン!!

 「きゃっ!」

 どうやら、何かにぶつかったらしい。トーストを落としてしまった。
「いった〜い」
「すまない。大丈夫かい?子猫ちゃん」
 ぶつかった相手が手を差し伸べてくる。その手を取りながら、
「あ、ごめんなさ……」
 謝ろうとして顔を上げた。
 相手と目が合う。その瞬間。


 ドッキ〜ン☆


 や、やだ、何この気持ち。すごく……カッコイイです……

「どうしたんだい?」
 ぶつかった彼が顔を覗き込んできた。
 僕は真っ赤になって、
「あ、な、何でもないです!あ、あの、あなたは……」
 思わず尋ねると、彼は爽やかに笑って、
「きっとまた後で逢えるさ。それじゃぁ」
 それだけ言うと、僕の前から去って行った……

 僕は少しだけぼ〜っとして、すぐ我に返ると、
「遅刻遅刻〜〜〜〜!!!!」







「何じゃこりゃああああああぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!」



 僕は叫びながら目覚めた。いつもの朝だった。

「ゆ、夢オチか……マジありえない。びっくりした……」
 そう真っ青な顔で呟き、目覚ましに目を向け、更にびっくりすることとなる。

「ぎゃー!遅刻、遅刻ぅー!!!!」