グローリ・ワーカ   第7章:呪法

「…私は魔族……。だけど、魔王を倒す!」
 マニュアが身構える。
 石の――父の声が怒鳴る。
『ミリア…ッ!そうか、……逆らうならば……!』
 魔物も身構える。
 そして、同時に叫んだ。
「こいつを倒す!!」
『お前を倒す!!』
 バトル開始――!!
 カァ〜ン!
 どこかでゴングが鳴った!

『行くぞ!ミリア!』
 魔物の口が開き、そこへ周りのものが吸い込まれていく。皆、吸い込まれないように必死に何かに掴まる。
 そして、吸い込まれた一部が黒い球体となって魔物の前に姿を現した。それを吐き出し、飛ばす!
 マニュアはそれに全く怯まず、真っ直ぐ正面を向き、何かを唱えた。
「エイク アビリティ アゴニー フィア デス!」
『ミ…ミリア!汚いぞ!…うわぁ〜〜〜〜…ッッ!!』
 魔物はそのまま倒れた。
 マニュアは魔物の首にある石を手にすると、最後の仕上げとばかりに呟いた。
「ディストラクション アタック」
 石は音も立てずに崩れていった。
「おぉ!!」
「やったー!」
「すげぇ!?」
 あまりにもあっさりと終わったバトルに、仲間が口々に歓声を上げた。
 マニュアが呟く。
「…今のは、死の呪法……そして破壊の呪法…」
「そうだ…っ!ホワさん、魔法使えたの…?」
 アリスが驚いて尋ねる。
 マニュアは頷いて言った。
「私は魔族だからね…。大体のやつは使えるよ。『呪法』がね」
「『呪法』?」
「そう。人間が使う『魔法』とは少し違う力…魔族しか使えない力。それが『呪法』…」
「『魔法』とどこが違うの?」
 また次々出てくる仲間達の質問に、マニュア先生の簡易お勉強コーナーが出来上がった!
「…………え?ナニソレ」