グローリ・ワーカ 第7章:呪法
「えーと、でゎまず!おさらいから!」
青空教室よろしくイグニスの町の片隅で、小さな教室が出来た。
皆体育座りをして、マニュア先生の言葉を聞いている。
「第4章――コープスの町で話してた5つの世界の話を覚えてるかな!?」
「覚えてねー!」
ふざけてそう言うニールを、いつの間に手にしたのか、アリスの扇子で思いっきりはたいた。
「私の扇子!!!!」
ニール、10のダメージ!
「私いなかったよ!」
「俺も」
アルトとヤンが手を上げる。
「正しくは話してたっていうか、ナレーションで言ってただけで、この世界ではある程度常識ではありますが」
ごほんと咳払いするマニュア先生。
「以下、私が喋っているように見せかけて作者が説明します」
をい!!!!
「更に、長いと思ったら、読み飛ばし推奨!」
それでいいのか!?
えーっと、ごほんっ。
ここには色々な世界が存在しています。それはここでは常識的に知られていることです。
世界は主に5つ存在していて、それぞれ、人間界、天界、魔界、霊界、神界となります。
はっきりと存在が分かっているのが、まず人間界。この世界ですね。人間界にメインで存在している生物は、人間、そして動植物。
他にはっきり存在していると言われているのが天界。天使がいると言われています。また、天使は人間界でもたまに目撃されています。これはただ人間界に来ているのを目撃されているだけで、実際は天界に棲んでいるようです。中には人間界に住んでいる天使もいるかもしれませんが……ちなみに、妖精なんかもここの住民です。
そして、魔界も間違いなく存在していると言われています。魔界には魔族、悪魔、魔物などが棲んでいます。魔物は本来は魔界の住民ですが、魔王によって人間界にやって来たと言われています。また、人間界でも魔族、悪魔など目撃されています(魔族なんか目の前にいるしね)
以上、3つは存在が確認されている世界です。
他、はっきりと確認はされていませんが、あるのではないかと言われているのが、まず、霊界です。霊界は、その3つの世界で失われた命が…魂が訪れる世界だと言われています。
最後に、神界。神界はどの世界よりも上にあって、とても古くから存在していたものとされます。その世界には、他の世界を作り上げた神様達がいると信じられています。
「図に描くと、こう!」
「え?図?」
ドン!
と、マニュアはどこからかホワイトボードを出して図を描き出した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
神界(神etc)
霊界(魂)
天界(天使、妖精etc) 人間界(人間、動物、植物etc) 魔界(魔族、悪魔、魔物etc)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「せんせー。図が分かりにくいでーす」
「字で表してるんだからしょうがないのです!」
さて、本題に入りましょう。
魔法とは?呪法とは?
まず、魔法。これはここの世界では一般的に知られていると思いますが、魔力を持っている人間が扱える特殊な力です。
人間界には人間や動植物の他にも、精霊が存在しています。精霊とは何か?それは、四大元素を司る者です。
四大元素とは、土、水、火、風の4つの元素のことです。その4つの元素を支配しているのが精霊なのです。ちなみに、精霊は四大元素以外にも光や闇の元素の精霊、また、癒しや守りの精霊なども存在しています。精霊は人間界の色々な場所にいますが、普段は人間には見えません。
で、魔法ですが、その精霊から四大元素の力を借りて使うことが出来るものです。人々が精霊に祈ることで四大元素の力を扱うことができるのです。また、こうして精霊から元素の力を借りるのが魔法使い、または僧侶などですが、直接精霊を呼び出すのが精霊使いという職業です。
それでは呪法とは何か?それは、人間ではなく、呪力を持った魔族が扱える力です。ちなみに、魔族のほとんどに呪力が備わっています。
人間界に精霊がいるように、魔界には幻獣が存在しています。精霊が四大元素を司るのに対し、幻獣は死や破壊という闇の部分メインで司っています。幻獣も同じく、死や破壊以外にも土、水、火、風や復活などを司る者も存在しています。ただ、死や破壊以外の呪法を使えるのはごく一部ですね。ちなみに、幻獣はあまり人目のつかない場所に生息しているようです。
そういうわけで、呪法とは、その幻獣から死や破壊の力を借りて使うことが出来るものなのです。職業としては呪法使いと呼ばれますが、何せほとんどの魔族が呪法を使えてしまうので、あまり存在価値はないかもしれません。また、精霊使いと同じく、直接幻獣を呼び出す幻獣使いもいます。
結論。魔法とは、人間が使うもの。呪法とは、魔族が使うもの。以上!!
「結論が極端すぎる!!!!」
「まぁ魔法はほとんどが四大元素を扱ったもの、呪法は逆に死や破壊などを扱ったものが多いって感じかな。多いってだけで、厳密には四大元素だけじゃなかったり、死や破壊だけじゃなかったりするってことだけど」
「魔法使いでも四大元素以外にも使ったりするしな。メインは確かに四大元素だけど」
ヤンが付け加える。マニュアも続ける。
「ちなみに、僧侶は、四大元素を扱った回復モノを使う人もいるし、本当に癒しや補助専門の精霊から力を借りる人、そういった回復のみを扱う人もいると」
ホワイトボードに描き足し。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
神界(神etc)
霊界(魂)
天界(天使、妖精etc) 人間界(人間、動物、植物etc) 魔界(魔族、悪魔、魔物etc)
↓ ↓
魔法(精霊→四大元素) 呪法(幻獣→死、破壊)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「というわけです。ちなみに、ティルちゃん」
「はい!?」
突然呼ばれ、驚いて声がひっくり返る。
「ティルちゃん、魔物使いじゃん。何でか分かる?」
「え?え?何でって…?」
思いもよらぬ質問に戸惑うティル。
答えられないだろうと分かっていて、マニュアが代わりに答える。
「ティルちゃんは僅かに魔族の血を引いている……先祖のどっかに魔族がいたんだろうねぇ。で、魔物を呼び出してる件だけど、実は魔法じゃなくて、あれ、呪法」
「えぇ!?」
「なんだかんだでそれでも呪力もちゃんとあるんだからすごいね。ご先祖様がよっぽど呪力高かったのかと。それで、コープスの町の山での戦闘、覚えてる?」
マニュアに言われ、ティルは思い出す。
「そういえば、マニュアちゃんに精霊がどうとか言われたような」
「そう!あの時ティルちゃんが呼び出したのは精霊だった。つまり、ティルちゃんは魔物使いじゃなくて、厳密には…何だろ?召喚士になるのかなぁ」
召喚士とは、精霊や幻獣を呼び出せる者のことを指す。一般的には精霊使いのこと(魔族の場合は幻獣使い)である。ただ、そのように精霊を呼び出せるだけでも召喚士と言えるが、イメージとしては、精霊も幻獣も呼び出せるといった感じで、精霊使いよりは高度だ。精霊使いとも召喚士ともどっちも名乗れるが、召喚士と名乗ると、大概は両方呼べると思われるよ。ということ。
「本当に召喚士!って呼べるのはハーフじゃなきゃ無理って話ですね。ハーフってだけで敬遠するくせに、そういう部分では重宝されるもんですよ」
マニュア、思わず少し毒を吐いている。お前、人間好きじゃなかったのか。
「まぁそんなこんなで幻獣を呼び出したとこはまだ見たことないけど、魔物を呼ぶ呪法使ったり、精霊を呼ぶ魔法を使ったりで…充分、召喚士と呼べるんでないかな、君は」
マニュアに言われ、何だか顔が赤くなるティル。
「えぇー…そんなすごいものじゃないよぉ」
下を向いて照れている。
「ところでさー」
アルトの質問。
「ん?何?」
「天使が使えるのは何?魔法じゃないんだよね」
「……」
マニュア先生、沈黙。
「あー、わっかんねーんだな!」
ストームが揚げ足を取るように言う。
マニュア先生は10のダメージ!
「天界には…さほど興味なくて……」
マニュアの言葉に、更にストームは言う。
「言い訳だし!」
「くぅっ……!」
落ち込むマニュアに、アルトがフォローのように言った。
「いやいや、でも、すごく詳しいね。魔族とか人間のことまで…」
「あ、あはははは」
突然言われ、マニュアは笑って誤魔化す。そう。実は勉強家だったりするのだ…
「だが、基本頭がいいのは俺だ!!」
と、自信満々に言うヤン。マニュアは苦笑した。
「まぁ、私が得意なのはこれくらいだしね……」
そんな話など聞いていないヤン。突然魔法を使い出した。
「ファイアー!!!!」
火が燃え盛る。その炎は少しの間踊ってすぐに消えていった。
微妙な表情でそれを見て、マニュアは突然叫んだ。
「……私もっ!呪法使ってやるぅ!」
「って、呪法って、死とか破壊なんでしょぉ!?」
「止めろーっ!」
アリスが慌てて言った言葉に、はっとして皆で止めに入るのだった…
「ぜーはー」
あれ!?次のページ行くかと思った!
「次のページ行く前に、重要なことがある……」
マニュアが真剣な顔をして言う。
「重要なこと……?」
皆も真剣な顔になって聞く。
マニュアは無言で頷くと、口を開いた。
「マニュアちゃんの教室はこれにて終幕です!受講料は1人100C!」
「って、えぇぇ!?お金取るの!?っていうか、それだけ!?」
ニコニコ笑顔で頷く。
「そうそう。そのとーり!これも商売だかんね」
そう言って、指でお金のマークを作る。
皆もつられて、笑顔で……
――ドカッ!バキッ!
マニュアはパーティ全員に袋叩きにされたのだった。
「でも、良かった。さっきの戦闘の時はマニュアちゃん…あんな真剣な顔してたけど……もうすっかり普段のマニュアに戻ってる!」
ティルがその様子を笑顔で眺めながら言った。
でも、うん、本当にそうだね――……って、助けてやれよ!
「えーと、でゎまず!おさらいから!」
青空教室よろしくイグニスの町の片隅で、小さな教室が出来た。
皆体育座りをして、マニュア先生の言葉を聞いている。
「第4章――コープスの町で話してた5つの世界の話を覚えてるかな!?」
「覚えてねー!」
ふざけてそう言うニールを、いつの間に手にしたのか、アリスの扇子で思いっきりはたいた。
「私の扇子!!!!」
ニール、10のダメージ!
「私いなかったよ!」
「俺も」
アルトとヤンが手を上げる。
「正しくは話してたっていうか、ナレーションで言ってただけで、この世界ではある程度常識ではありますが」
ごほんと咳払いするマニュア先生。
「以下、私が喋っているように見せかけて作者が説明します」
をい!!!!
「更に、長いと思ったら、読み飛ばし推奨!」
それでいいのか!?
えーっと、ごほんっ。
ここには色々な世界が存在しています。それはここでは常識的に知られていることです。
世界は主に5つ存在していて、それぞれ、人間界、天界、魔界、霊界、神界となります。
はっきりと存在が分かっているのが、まず人間界。この世界ですね。人間界にメインで存在している生物は、人間、そして動植物。
他にはっきり存在していると言われているのが天界。天使がいると言われています。また、天使は人間界でもたまに目撃されています。これはただ人間界に来ているのを目撃されているだけで、実際は天界に棲んでいるようです。中には人間界に住んでいる天使もいるかもしれませんが……ちなみに、妖精なんかもここの住民です。
そして、魔界も間違いなく存在していると言われています。魔界には魔族、悪魔、魔物などが棲んでいます。魔物は本来は魔界の住民ですが、魔王によって人間界にやって来たと言われています。また、人間界でも魔族、悪魔など目撃されています(魔族なんか目の前にいるしね)
以上、3つは存在が確認されている世界です。
他、はっきりと確認はされていませんが、あるのではないかと言われているのが、まず、霊界です。霊界は、その3つの世界で失われた命が…魂が訪れる世界だと言われています。
最後に、神界。神界はどの世界よりも上にあって、とても古くから存在していたものとされます。その世界には、他の世界を作り上げた神様達がいると信じられています。
「図に描くと、こう!」
「え?図?」
ドン!
と、マニュアはどこからかホワイトボードを出して図を描き出した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
神界(神etc)
霊界(魂)
天界(天使、妖精etc) 人間界(人間、動物、植物etc) 魔界(魔族、悪魔、魔物etc)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「せんせー。図が分かりにくいでーす」
「字で表してるんだからしょうがないのです!」
さて、本題に入りましょう。
魔法とは?呪法とは?
まず、魔法。これはここの世界では一般的に知られていると思いますが、魔力を持っている人間が扱える特殊な力です。
人間界には人間や動植物の他にも、精霊が存在しています。精霊とは何か?それは、四大元素を司る者です。
四大元素とは、土、水、火、風の4つの元素のことです。その4つの元素を支配しているのが精霊なのです。ちなみに、精霊は四大元素以外にも光や闇の元素の精霊、また、癒しや守りの精霊なども存在しています。精霊は人間界の色々な場所にいますが、普段は人間には見えません。
で、魔法ですが、その精霊から四大元素の力を借りて使うことが出来るものです。人々が精霊に祈ることで四大元素の力を扱うことができるのです。また、こうして精霊から元素の力を借りるのが魔法使い、または僧侶などですが、直接精霊を呼び出すのが精霊使いという職業です。
それでは呪法とは何か?それは、人間ではなく、呪力を持った魔族が扱える力です。ちなみに、魔族のほとんどに呪力が備わっています。
人間界に精霊がいるように、魔界には幻獣が存在しています。精霊が四大元素を司るのに対し、幻獣は死や破壊という闇の部分メインで司っています。幻獣も同じく、死や破壊以外にも土、水、火、風や復活などを司る者も存在しています。ただ、死や破壊以外の呪法を使えるのはごく一部ですね。ちなみに、幻獣はあまり人目のつかない場所に生息しているようです。
そういうわけで、呪法とは、その幻獣から死や破壊の力を借りて使うことが出来るものなのです。職業としては呪法使いと呼ばれますが、何せほとんどの魔族が呪法を使えてしまうので、あまり存在価値はないかもしれません。また、精霊使いと同じく、直接幻獣を呼び出す幻獣使いもいます。
結論。魔法とは、人間が使うもの。呪法とは、魔族が使うもの。以上!!
「結論が極端すぎる!!!!」
「まぁ魔法はほとんどが四大元素を扱ったもの、呪法は逆に死や破壊などを扱ったものが多いって感じかな。多いってだけで、厳密には四大元素だけじゃなかったり、死や破壊だけじゃなかったりするってことだけど」
「魔法使いでも四大元素以外にも使ったりするしな。メインは確かに四大元素だけど」
ヤンが付け加える。マニュアも続ける。
「ちなみに、僧侶は、四大元素を扱った回復モノを使う人もいるし、本当に癒しや補助専門の精霊から力を借りる人、そういった回復のみを扱う人もいると」
ホワイトボードに描き足し。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
神界(神etc)
霊界(魂)
天界(天使、妖精etc) 人間界(人間、動物、植物etc) 魔界(魔族、悪魔、魔物etc)
↓ ↓
魔法(精霊→四大元素) 呪法(幻獣→死、破壊)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「というわけです。ちなみに、ティルちゃん」
「はい!?」
突然呼ばれ、驚いて声がひっくり返る。
「ティルちゃん、魔物使いじゃん。何でか分かる?」
「え?え?何でって…?」
思いもよらぬ質問に戸惑うティル。
答えられないだろうと分かっていて、マニュアが代わりに答える。
「ティルちゃんは僅かに魔族の血を引いている……先祖のどっかに魔族がいたんだろうねぇ。で、魔物を呼び出してる件だけど、実は魔法じゃなくて、あれ、呪法」
「えぇ!?」
「なんだかんだでそれでも呪力もちゃんとあるんだからすごいね。ご先祖様がよっぽど呪力高かったのかと。それで、コープスの町の山での戦闘、覚えてる?」
マニュアに言われ、ティルは思い出す。
「そういえば、マニュアちゃんに精霊がどうとか言われたような」
「そう!あの時ティルちゃんが呼び出したのは精霊だった。つまり、ティルちゃんは魔物使いじゃなくて、厳密には…何だろ?召喚士になるのかなぁ」
召喚士とは、精霊や幻獣を呼び出せる者のことを指す。一般的には精霊使いのこと(魔族の場合は幻獣使い)である。ただ、そのように精霊を呼び出せるだけでも召喚士と言えるが、イメージとしては、精霊も幻獣も呼び出せるといった感じで、精霊使いよりは高度だ。精霊使いとも召喚士ともどっちも名乗れるが、召喚士と名乗ると、大概は両方呼べると思われるよ。ということ。
「本当に召喚士!って呼べるのはハーフじゃなきゃ無理って話ですね。ハーフってだけで敬遠するくせに、そういう部分では重宝されるもんですよ」
マニュア、思わず少し毒を吐いている。お前、人間好きじゃなかったのか。
「まぁそんなこんなで幻獣を呼び出したとこはまだ見たことないけど、魔物を呼ぶ呪法使ったり、精霊を呼ぶ魔法を使ったりで…充分、召喚士と呼べるんでないかな、君は」
マニュアに言われ、何だか顔が赤くなるティル。
「えぇー…そんなすごいものじゃないよぉ」
下を向いて照れている。
「ところでさー」
アルトの質問。
「ん?何?」
「天使が使えるのは何?魔法じゃないんだよね」
「……」
マニュア先生、沈黙。
「あー、わっかんねーんだな!」
ストームが揚げ足を取るように言う。
マニュア先生は10のダメージ!
「天界には…さほど興味なくて……」
マニュアの言葉に、更にストームは言う。
「言い訳だし!」
「くぅっ……!」
落ち込むマニュアに、アルトがフォローのように言った。
「いやいや、でも、すごく詳しいね。魔族とか人間のことまで…」
「あ、あはははは」
突然言われ、マニュアは笑って誤魔化す。そう。実は勉強家だったりするのだ…
「だが、基本頭がいいのは俺だ!!」
と、自信満々に言うヤン。マニュアは苦笑した。
「まぁ、私が得意なのはこれくらいだしね……」
そんな話など聞いていないヤン。突然魔法を使い出した。
「ファイアー!!!!」
火が燃え盛る。その炎は少しの間踊ってすぐに消えていった。
微妙な表情でそれを見て、マニュアは突然叫んだ。
「……私もっ!呪法使ってやるぅ!」
「って、呪法って、死とか破壊なんでしょぉ!?」
「止めろーっ!」
アリスが慌てて言った言葉に、はっとして皆で止めに入るのだった…
「ぜーはー」
あれ!?次のページ行くかと思った!
「次のページ行く前に、重要なことがある……」
マニュアが真剣な顔をして言う。
「重要なこと……?」
皆も真剣な顔になって聞く。
マニュアは無言で頷くと、口を開いた。
「マニュアちゃんの教室はこれにて終幕です!受講料は1人100C!」
「って、えぇぇ!?お金取るの!?っていうか、それだけ!?」
ニコニコ笑顔で頷く。
「そうそう。そのとーり!これも商売だかんね」
そう言って、指でお金のマークを作る。
皆もつられて、笑顔で……
――ドカッ!バキッ!
マニュアはパーティ全員に袋叩きにされたのだった。
「でも、良かった。さっきの戦闘の時はマニュアちゃん…あんな真剣な顔してたけど……もうすっかり普段のマニュアに戻ってる!」
ティルがその様子を笑顔で眺めながら言った。
でも、うん、本当にそうだね――……って、助けてやれよ!